今更ながら「吼えろペン」を思い起こしてみる

昔から、島本和彦先生の作品が好きで、また、現実とリンクするレポート的なマンガが好きなので、両方を兼ね備えたこの作品はハート直撃でした。単行本を前作の「燃えろペン」共々全巻揃えて、思い出したように読み返していました。この作品とつながりのある「アオイホノオ」はテレビドラマ化もされ、小学館漫画賞も受賞していますが、作風としては、私は「吼えろペン」の方が好みです。
島本先生の作品は、ギャグで照れ隠ししつつ、熱いメッセージを読者に投げかけるのが妙味です。主人公が漫画家で、漫画家というクリエーターが、日々の執筆活動の中で「戦う」姿勢は、門外漢の私にも勇気を与えてくれるものがあります。「いい仕事をしたい!」という真っ当な欲望と、「プロは売れることが重要」「現実の社会に適応しなければ生きていけない」というリアリズムの狭間で足掻く主人公の姿は、社会で働く私自身の姿にどこらダブるものを感じます。
また、私の住む世界とは全く異なる、漫画業界の内部事情が散りばめられており、そうしたエピソードを楽しむこともできます。作品の中には、明らかに実在の漫画家をモデルにしたと思われる登場人物が多数おり、彼らの素顔をデフォルメされたものながら味わえます。
島本和彦という漫画家は、その作品が完結して何年も経ち、忘れかけた頃に突然アニメ化や映画化されるケースが多いです。この作品も、いつの日か再び脚光を浴びる日を、密かに待ち望んでいます。アイキララが気になる。