本日は最も難しいテーマなのですが、英検1級は取得した、あるいはTOEFLで600点以上の実力はあるがさらに英会話が上達するにはどうしたらよいかということを考えてみたいと思います。
この上のレベルはネーティブのレベルと同じですから、目標はネーティブと同じレベルを目指すことです。具体的な目標としては次のようなことがあげられます。
1. 一つ一つの単語や短文の微妙なニュアンスをネーティブと同等のレベルで正確に理解する
2. 自分の話すスピードがネーティブと同様のスピードになるように努力する
3. スラングがわかるようになる
4. 英米文化についてもう一度正確な理解をする
5. 文法的に正確な英語により話すことができるようになる
6. 論理的な文章を書く訓練をする
7. コミュニケーションの手法を会得する
次に具体的に説明します。
1. 一つ一つの単語や短文の微妙なニュアンスをネーティブと同等のレベルで正確に理解する
私たちの英語に対する理解度は当然のことながらネーティブと同様の深さはありません。このためちょっとした簡単な短文が正確に理解していなくて翻訳で誤訳をしたり、英米人にとっては簡単な質問であるにもかかわらず、それに対してトンチンカンな答えをしたりするような失敗をします。
こちらの発音やイントネーション、スピードが英米人と変わらなくなればなるほど、彼らは私たちを日本人と意識しなくなりますから彼らが私たちに話す英語はネーティブに対する英語とまったく同じになっていきます。
せっかくネーティブと同等な実力を認めてくれたのに聞き返したり、意味を聞いたりしていてはシャレになりませんよね。ここでどうしても頑張らなくてはなりません。
そこで単語レベル、短文レベルで正確に理解する訓練をすることが肝要になります。また話すときにも意志は通じてもネーティブだったら異なる単語やフレーズを使って表現するということですと、微妙なニュアンスは違ってきますから、結局、私たちが話す英語は彼らと同じ英語ではなくなってきます。このような表現をネーティブが何回も聞いたら「やはり日本人の英語だな」と思われてしまいます。
learnやstudyのようにやさしい言葉でも英米人は使い分けるようですし、volatile(不安定な)やvulnerable(影響をうけやすい)というような単語などは文脈によって微妙に意味が違ってきますから、このような違いを踏まえて使い分けることがネーティブのレベルでは必要となります。
2. 自分の話すスピードがネーティブと同様のスピードになるように努力する
英会話のレベルが上級になってくるに従い私たち日本人が同様に気がつくことがあります。それは自分と一対一で話しているとすべてその人の英語がわかるのにその同じ英米人が他のネーティブスピーカーと話しているのを聞くと私たちは理解できなくなってしまうということです。何故こんなことが起こるのでしょうか。
答えは私たちを日本人と思っているからで、そのためスピードは遅くなっていますし、ネーティブだったらわかる不正確な英語では私たちにはわからないということで話す英語も正確になっています。また、くちごもったりしては(mumble)、私たちはわからなくなりますから発音も明瞭です。さらにスラングの使用頻度も私たちに対しては極端に少なくなります。
どうしてこのようになるかといいますと、私たちの話す英語が発音やイントネーションがほとんどネーティブレベルでも難しい議論や微妙な話になってくるとスピードが落ちます。このことで彼らは私たちの英語はネーティブレベルではないと簡単に判断してしまうのです。
筆者は昔よく日本人の友人がいる会社に電話するときに英語で電話をしたことがあります。友人が出るまでは英語を話しつづけるのです。
また日本人ホステスがいるスナックなんかに行っても日本語は話さないで日系アメリカ人のようなフリをしてはじめから終わりまで英語を話しつづけます。もっと芸の細かいときは一緒に行った日本人に私の英語を通訳させるのです。それでも途中でばれて「日本人ではないですか」と言われたことはありません。たいていだませるのですが、英米人はなかなかだませません。六本木あたりのクラブでイギリス人ホステスがいるようなクラブでサンフランシスコで生まれた日系アメリカ人だと言ってだませるのはせいぜい一時間くらいでしょう。そのうちに彼らのスピードやスラングについていけなくなり、馬脚を露すことになります。
話は脱線しましたが、私たちの話すスピードを英米人のスピードにしないとネーティブにはなりません。
3. スラングがわかるようになる
英米人どうしが話す英語にはスラングが必ず入っています。スラングは英米人にとって一つの文化でもあります。ところが私たち日本人にとってスラングはやっかいなものです。
例をあげます。
まずやさしい例からいきますとWhat's up?(何か新しいことあった?)です。上級者はすでに知っている表現だと思いますが、私たち日本人がこの表現を知らないで初めて聞いたとしたらわかるかということです。ネーティブなら初めて聞いてもupが使われていることから意味を想像するのは容易だと思います。
今度は難しい例をあげます。go postalという比較的新しいスラングがあります。意味は「人も殺しかねないほど気が狂った」という意味だそうです。 postalはpost officeから発生した形容詞です。
アメリカの郵便局は重労働と過酷なノルマが有名な職場で、あまりのストレスに気が狂い、上司を銃で殺してしまったというような話がよくあるそうです。ですからHe's got postal.と初めてこのスラングを聞いても北米人なら意味が想像できますから、自殺したとか、アル中になってしまったとか話が否定的なものに発展することが想像できてしまうのです。
ところが私たち日本人にとっては郵便局勤務といいますと、「寄らば大樹の陰」の代表的平穏無事な職場を意味していますから、このような発想はまず無理で、アメリカの郵便局の事情を聞かないことにはこのスラングの意味はわかりません。
この続きは次回にします。Talk to you soon.
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