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今回は上級向けです。レベルとしては英検準1級以上になります。このレベルになると、勉強した効果が全然あらわれなくていやになるときもしばしばですが、辛抱強く続けていると必ず報われます。このレベルでは普通の逐語通訳ならできますし、原書も楽しめる段階になっています。 TOEFL やTOEICのスコアを上げたい人はともかく、それ以外の人は目的をしぼったほうがよいと思います。
例えば、通訳を目指すとか、翻訳者になるための勉強をするとかです。どちらの場合でも、語彙を増やし、読解力をつけること、それから reading のスピードを上げることがポイントとなります。
ニューヨークやロンドンまで飛行機で行く16時間位の間に、原書を1冊読めるかどうかが一つの目安となります。通訳者も翻訳者も集中力が必要な仕事ですから、これはためしてみる必要があります。おすすめできる原書としては、やさしいところでは前にも述べたシドニー・シェルダンの著作ですが、同じサスペンスでもフレデリック・フォーサイスになると文体がきわめて重厚で、16時間で読めたら通訳者にも翻訳者にもなれる基本的な力は十分すぎるほどあります。どんなものを読んだらよいかについて、筆者はあまり専門的でないものから20冊位を選び、コメントを付け加えた推薦原書のリストを現在作成しています。1週間位で掲載しますので参考にしてください。
会話力をアップするためには、いろいろな場面を体験することも必要でしょう。筆者も以前、アメリカのGMやフォードの工場で通訳をしたりして相当自信があったのですが、ロンドンのナイトクラブで知り合ったホステスのアパートに行ったとき(想像されるような関係は全然ありません。なくても平気でアパートには入れてくれます)、彼女の友達と話している会話がまったくわからず、ショックを受けたことがあります。
もっとも日本のホステスの話も業界用語が多くてわからないですよね。例えば、あいばんとか、本指名、ヘルプ、組数ノルマ、「白の日」、「枝のお客」とか。ゲイバーの用語になったら「売りせん」とか「買いせん」。これわかります?おかまじゃないけど、「アラ、イヤダー」って言いたくなります。
ロンドンっ子の話す英語は cockney English といってくせがあるんですね。
テキサスの人の英語も難しいですね。数年前にアメリカに行ったときも、ホテルのバーで会ったテキサスの人と話が始まったのはいいんですが、この人の英語が半分くらいしかわからないんですね。
インド人の英語もわからないときがあります。10年くらい前ですが、歯が抜けているあるインド人と商談をしたんですが、まったくわからなかったことがあります。困ってしまいまして、今テレビタレントとしてけっこう売れているダニエル・カールという人がいるんですが、彼に頼んでそのインド人の英語をわかりやすい英語に通訳(?)してもらったことがあります。なんでわかるのかと、聞いたらダニエルは自分の親戚かなにか忘れましたが、歯の抜けている人がいて、その人とよく話しているので慣れているのだと言っていましたが、あの英語は私では絶対わかりません。このように英語を口ごもって話すことを mumble と言いまして、"He is mumbling." などと表現されます。ところが困ったことに歯があっても mumble する人がいます。こんな英語は英米人でもわかりずらいものです。
このようなことは日本語の場合も同じで、日本語を母国語としていない外国人にはどんなに日本語がうまくても明石屋さんまの話すような日本語はよくわかりません。英語の同時通訳者でもエディー・マーフィーの英語や、キャッツなどのミュージカルがわかる人はごくわずかです。これもわかって難しい国際会議の同時通訳もできる人は、1時間で20万円(1日ではないですよ)のギャラをとります。日本全国でもそのような人は20人いるでしょうか。
通訳を目指す人は dictation (書取り) が効果があります。つまりテープとかビデオの英語をタイプすることです。この方法によって定冠詞の the が入っているとか、名詞が複数か単数かなどを聞き取らなければなりませんから、耳の高度な訓練になります。この方法はヒアリングを上達させる最も効果的方法なので、ほとんどすべての通訳養成コースで取り入れられています。
同時通訳でも会議通訳でも、予習するために実際の仕事の前に資料がわたされます。セレモニーにおける講演などはほとんど原稿どおりなのですが、通訳泣かせなことに本番になると台本にないことを話す人が必ずいます。筆者もあるアメリカの大学の開校のパーティーで通訳をしていたことがあるのですが、その学長が興奮して台本にないことを、突然話しだしたんです。お恥ずかしい話ですが、その最後のジョークがわからなかったんですね。まあ、いいやと思って適当に日本語としての冗談にしたのですが、これが受けて拍手かっさい、素晴らしい通訳だとほめられたのですが、穴があったら入りたかったですよ。
筆者はプロの通訳ではありません。速記もできませんし、普通プロの通訳者がとるメモ、あれがいやなんですね。ですから北海道の旭川市で、あるアメリカ大学分校の事務総長としてアメリカ本校副学長と一緒に旭川市の市長や北海道知事を表敬訪問したときも、相手側からはプロの通訳がでてきて、メモをとるのですが、私はすべて暗記して通訳をするんですね。これはやっぱり疲れます。
すべて終わった後に札幌や旭川のクラブとかゲイバー(旭川には素晴らしいゲイバーがあるんですよね。また行きたいなぁー。)でストレス解消をしたものです。
翻訳もそうですが、通訳のほうが短時間における緊張度ははるかにあります。ですから同時通訳者は1時間から2時間ごとに休憩をとりますし、売れっ子は1日2時間以上の仕事はあまり受けません。それでも1時間5万円のギャラはとりますから、月に200万円はかるくかせぎます。自信がある方はどうぞ挑戦してください。
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