英語上達体験記(1)英検2級に挑戦英語上達体験記(1)英検2級に挑戦
マイクです。読者の一人で英語が苦手だった人が英語の勉強を始め上達した人がいます。本日から二回に分けてこのかたの体験記を掲載します。

最初の挑戦
河川敷に秋祭りの山車がずらっと並び、大勢の観光客がひしめいている。テレビクルーの照明が夕闇を明るく照らし出すと、ふとその中に外国人の姿が目についた。
「どうした、英語の勉強をはじめるんだろ、ここはひとつ勇気を出して話しかけてみろよ」
Helloとやっとの思いでしゃべったのだがあとが続かない。ていよく相手に逃げられて周囲の人からも冷たい視線を浴びせられたのである。穴があったら入りたいという言葉があるが、この時の恥ずかしさといったらものではなかった。そのままなにも起こらなかったというように、地球上から消え去ってしまいたかった。

英会話教室へ行く
秋祭りの惨劇から1ヶ月ほど経った頃、英会話教室に行ってみようと思った。相手にされないのではないかとおそるおそる電話をしてみた。ところが今から考えるとあたりまえのことなのだが英会話教室には入学試験というものがない。入学ができてこれで自分も英会話ができるようになれるのだと嬉しい気分でいたら、はじめてのレッスンで”How have you been?”と外国人講師に聞かれて意味がわからなくて答えられなかった。

英検二級不合格C
英会話学校に通っているうち、英語を使った挨拶くらいはどうにかできるようになったものの、当時の私には語彙力や読解力などはまるでなかった。週に一度か二度、定期的に英会話教室には行くものの、それ以上何を勉強していいものやら、その頃には見当もつかない。

そのうち、英検二級(高校卒業程度の英語力)の試験日がやってきた。実力を測る目安として受験したのだが、多少望みが高すぎたかもしれない。ある程度は試験勉強をしたつもりだったが、不合格Cが二度も続いた。

なぜ英検を受けるのか
試験に落ちるのは残念だが、かといって悪いことではない。自分に不足している実力を補強する絶好の機会だと思えば、悔しさも半減するはずだ。それに英語力を伸ばす上で、英検は理想的な道具だといえるだろう。というのも、試験の合格を目指すことが、バランスの良い英語力を養うという目標に直結するからだ。半年ほど英会話教室に通えば、簡単な挨拶くらいはできるようになるだろう。しかし、会話の練習だけしていたのでは、その後の実力が伸びなくなってしまうのだ。

とはいうものの、年齢も二十台半ばにさしかかり、英検二級の試験勉強に取り組むのはかなりつらい。とっくの昔にオサラバしたはずの大学受験が、再び甦ってくるような憂鬱な気持ちだった。こんなにややこしい試験に合格するのなら、今からもう一度大学を受けるほうが楽なのでは、当時の私にはそれくらい難しい目標のように感じられたのだ。特に私の場合、英検二級の合格が最終目標ではなく、遠い将来英語を使って仕事ができればいいなあという無謀な?夢を抱いていた。それだけに、英語に自信のある人ならたいていの人は合格するという英検二級に、かくも苦戦している自分はいったい何者なのか、そのような自己嫌悪の方が強かった。

まず語彙力を増強する
英語力を高める上で、単語の数を増やすのは絶対に必要な条件だが、残念なことにこれが一番つまらない作業だ。私は今では語彙力にかなりの自信がある。しかし単語を覚えるのが趣味なのかと尋ねられたら、それは断固として否定したい。苦労して単語を100個覚えても、天から女神様が降臨して私を褒めてくれるわけではないのだ。覚えても覚えても、すぐに忘れてしまう単語の山、これを確実に覚えていくためのモチベーション、それが私にとって英検だった。

英検の特徴として、一級から五級まで、バランスのとれた語彙問題があげられる。短期的な目標を持たず、ただなんとなく英語を勉強していても語彙力が伸びないケースがあるが、それは記憶力が悪いからではなく、切羽詰った必然性に欠けているからだろう。語彙力を飛躍的に伸ばしたいと思っている人には、ぜひとも試験を利用することをお薦めする。女神様は降臨しないにしても、そのうち郵便ポストに合格証書が舞い込んで来るだろう。

文法を理解するには
初級者の頃は分厚い文法書を買う必要はない。初級と中級の差は何かといえば、中級者は中学生の文法をしっかりと理解しているということではないだろうか。文法という言葉を聞くだけで、アレルギー反応を起こす人もいるだろう。しかし、楽器を演奏しようと思えば、譜面を理解しなくてはいけないのと同じように、英語を理解するためには文法は避けて通れない。

初心者のうちで特に問題となるのが、いったいどこで文法につまづいているのか、それすらわからないという場合だ。仮に参考書を見て自力で解決できるのであれば、かなりの力があるということになるが、たいていの場合はどこをどのように調べていいものやら見当もつかない。手っ取り早い解決策は、高校受験用に編集された文法の問題集を買ってきて、それを解いてみることだろう。そうすれば、わからなくなっている分野が特定できるので、参考書などを使って調べものをするさい、かなり楽になってくる。

ラジオ英会話を利用する
リスニング能力を高めようと思って取り組み始めたラジオ英会話だったが、最初は放送を聞くどころか、テキストに書いてあることすら十分に理解できなかった。継続は力なりという言葉を信じて半年ほどバカ正直に続けていたが、ネイティブの発音は、私にとっていつまでたっても電波のままだった。つまり言葉としての実感が得られないのだ。

今にして思えばもっと読解力を鍛えるべきだったのだろう。そもそも読めない英文は正しく聞き取れるわけはない。また一日15分やら20分やら放送を、ただ漫然と聞き流していたのではなかなか実力は伸びない。放送内容をテープに収録し、同じ内容を何度も繰り返して聞いていけば、もっと上達速度も速くなっていただろう。

英語を使って自分の好きなことを書く
毎日英語を使って日記を書くのをすすめる人がいる。ただ私は日記を書く習慣がなかったので、自分が日頃何気なく感じていることを、英語を使って文章にしてみることにした。ちょうど英会話教室に通っており、快く添削に応じてくれるネイティブがいたので、週に一回、ノート1ページほどの内容を見てもらった。ここで大事なのは、添削してもらった表現を、何度も口に出して練習するということだろう。この練習を経ることによって、添削指導の効果が倍増するし、長い目で見たら、読解力の増強にも役立つはずだ。

読解力を伸ばすには
読解力を伸ばすために英字新聞や雑誌を薦める人がいるが、初心者に対するアドバイスとしては極めて残酷だ。特に私の場合、何かを読もうとしたところでほとんどわからない単語ばかりで、まったく救いようのない状態だった。

このような場合、すでに筋を知っている童話を買ってきて、日本語と対比しながら読むといいだろう。また日本語訳をフル活用すべきで、わからない単語をいちいち辞書で引かなくてもいいと思う。この段階で辞書を引いていると、本を読んでいるあいだずっと辞書を引くことになり、英語を読む面白さがなくなってしまうからだ。

単語は文章の中で覚えたほうがいいのだが、初心者のうちはどういう単語を優先的に覚えていけばいいのか、その加減がよくわかっていない。だから闇雲に覚えていこうとすると、まったくの初心者が英検一級の単語問題にすら出てこないような単語と格闘する羽目になる。

初心者の人が英語を読む場合、自分にも英語が読めるという喜びを大切にするべきだろう。私は悪い意味での完璧主義で、せっかく苦労して1ページほど読んだとしても、「日本語訳の助けを借りたから読めたのであって、自分の実力にはならないのでは」と思っていた。しかしこれは間違いだ。土の中から出てきた蝉の幼虫が、木の上を這い上がっていくスピードは遅い。しかし一皮むけたとたん、暁の空に向けまっしぐらに飛翔し始めるだろう。英語を読むという行為も、これと同じだと思う。

正真正銘の英語初級者であった私だが、結果的に英検二級、つまり中級者程度の実力を養成することに成功した。あの秋祭りの日から二年の歳月を要していたが、その後上級者の英語力を身につける課程に比べれば、まだ序の口だっただろう。

とはいうものの、英検二級合格は他のいかなる試験合格にも勝る喜びだった。他の試験に合格したときは、うれしさというよりも、ほっとするという気持ちの方が強かった。おそらく英検二級の合格証書が静かにこう語りかけてくれたからだろう。「英語の読み書きが一通りできるようになったし、話していて意志も通じる。もうお前は英語劣等生じゃあないんだ、自信を持ってもいいんだぜ」と。

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This page was written by Mike Sakamoto.
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