本日は海外での英語勉強法の第二段です。
海外で生活している読者から次のようなメールを受信しました。
Wall Street Journal販売キャンペーンで安く購入できる事になったので先週より毎日、新聞を購読する事となりました。
新聞が違うと、気のせいか使用しているニュアンスが違うので、以前FTを読んでいたよりは読みにくくなったような気がしています。しかし、そのうち慣れるでしょう。
先日Amazon.comから本が届きました。趣味の料理の本と、妻のパッチワーク、子供の絵本です。早速子供たちに絵本を読み聞かせようとしましたが、なかなか良い日本語がでません。
分からない単語もあるため結局、読み聞かせは次の日に持ち越しとなってしまいました。
子供の絵本が読めない・・・。ちょっとショックでした。
しかしながら、せっかくこのような事に気づいたのですから、こうなったら子供と楽しめるやさしい絵本を買って、ついでに勉強しようともくろんでいます。上の子が4歳下の子が1歳。上の子は本に興味を持つ年ごろです。恥ずかしいかぎりですが、4歳レベルの本からスタートする予定です。
まず読む新聞が違うと読みにくくなるということですが、このようなことは当然起こりうることです。それぞれの新聞によって編集方針も違いますし、書いているライターも異なります。
わかりやすい例では日本のJapan Timesとアメリカで発行されている Todayの違いです。Japan Timesはネーティブスピーカーによって編集されていますが、Todayと比較すると英語が自然ではありません。多くの日本人もJapan Timesの読者ですし、英語を母国語としない外国人の読者もいますから、スラングなども少なくなります。
ところがTodayですと、アメリカ人を対象としています。またお堅いNew York TimesやWall Street Journalと差別化を図ろうとしていますから、アメリカ人しかわからないようなスラングもバンバン出てきます。
通常インターナショナルなメディアでアメリカ人のライターが記事を書くとき、この表現はイギリス人やオーストラリア人に理解てきるかなということを考えたりします。ところがアメリカで発行されている新聞の場合、このようなことはいっさい考えずに記事が書かれるわけです。
このようなことから読みなれている新聞と違う新聞を読むと難しく感じたりするわけです。
次に子供の本が読めなくてショックだったということですが、実はこれは当然のことなのです。
筆者も英語の子供の本を辞書なしで読む自信はありまぜん。アメリカに行っているとき子供と話すときはわからないだろうと思って話しを始めます。相手の子供が5才以下だったら初めから親の通訳(?)を頼りに話そうとします。
なぜかと言いますと英米で育っていない人には聞いたこともないような表現や普通の辞書には出ていないスラングが次から次へと出てくるからです。海外で留学することなく英語を勉強し、翻訳者となった筆者にとってもこれは最も弱い部分なのです。
小説や映画の字幕翻訳者ではない筆者は今までこのようなスラングを覚える気はありませんでした。しかし最近はアメリカに行ってアメリカ人のエリートビジネスマンとの交渉する機会も多くなった結果、見果てぬ夢かも知れませんが、エリートのアメリカ人と対等に渡り合いたいと思い、スラングを勉強しはじめました。
筆者が最近使用しているAdvanced Learner's Dictionaryという英英辞書はこのようなスラングがかなり掲載されている辞書です。
注意しなければいけないのは英米人を対象にしてつくられた辞書には私たち日本人が調べたいと思うスラングは掲載されていません。英米人がこのようなスラングがわからなくて辞書にあたるということはないからです。ですから海外で英英辞典を買うときは注意が必要で、外国人向けの英英辞典を買わないといけません。Advanced Learner's Dictionaryは名前の通り外国人の上級者向けに出版された辞書です。
スラングは覚えたら出来るだけ使ってみるべきです。何故かといいますと辞書に書いてある定義と違ったニュアンスで使用されていることがよくあるからです。
例えばアルクから出版されているAFN guideという月刊誌にThings were going down bad for me. Everybody was on my case. (どうも物事がうまくいかないのです。みんな私のことを心配してくれていました)というのがあり、スラングの解説としてbe on one's caseを「を心配している」とありました。
ところが上記の辞書にあたってみるとcriticize somebody all the timeとあり、「を心配している」という定義はありません。
おかしいなと思った私はあるイギリス人に聞いてみたところ必ずしも批判をするだけでなく、皆がいつも誰かのことを話題にしているということなので心配しているというニュアンスにもなりうるということでした。転用されて使用されていたわけですが、このようなことはスラングだけではなく英語にはよくあることです。
英語を母国語とした海外で生活している人はこのようなスラングを覚える絶好な環境にいるわけですね。しかしだからといって英語を母国語としていない国に住んでいる人ががっかりすることはありません。
筆者は以前英語を母国語としていない人が話す英語はある意味でバカにしており、わからなくてもいいと思っていました。ところがこれが間違いだということに気が付きました。なぜかといいますと、ネーティブスピーカーが聞くとこのような変な英語でもすぐに理解してしまうからです。私たち日本人が発音や文法が少しおかしい日本語に出会ってもすぐに理解してしまうのと同じです。
フランスやドイツ人の話す英語、あるいはフィリッピン人やアラブ人の話す英語など、それぞれクセがありますが、それも聞き取れるようにならないとネーティブスピーカーのレベルには近づかないわけです。
さて、英語が母国語としていない国で生活している人も含め、海外で生活している人に対して筆者が推薦する究極の英語上達法はやはりリーディングです。リーディングをやることによって語感を養い語彙を増やすこと(vocabulary building)が出来るからです。
最近英語の起源を大学で専攻したというあるイギリス人と話しているときこの人は英語の文法はメチャクチャだと言っていました。文法が最もきちんとしているのはラテン語でラテン語から直接的に発達したフランス語は英語よりはるかに文法的に正確だということです。
確かにフランスには「明快でないものはフランス語ではない」という諺があります。これに比べて英語文法の例外の多いのには私たち英語学習者はいつも辟易していますよね。文法的に成り立たない英語がABCやCNNニュースで毎日流されています。
このようないい加減な文法が出てきてもリーディングの力がしっかりしている人は迷うことなく意味をつかむことができます。これは何故かというと次のような理由からだと思います。
言葉というものは文化とともに学んでいくものです。英米人の場合は物心がつくと同時に言葉を覚え学校に行き始めると級友と交際しながら言葉を覚えていきます。
仕事をするようになれば職場でまた別な文化を学びながらいろいろな言葉や表現を覚えていきます。ところが英語を母国語としない私たちはこのような経緯を欠落して、いきなり英語を学びます。したがって英語を理解するのに必要な生活体験や文化を経験しないで英語を学ぶわけです。
リーディングはこのようなギャップを埋めるのに役立ちます。普通なら20年もかかって体験することを短期間に体験することが出来るのだと思います。
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