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先日次のような相談を受けました。
「私は英会話スクールで何年も英会話を学び上級のクラスまで進むことができ、政治でもビジネスでもほとんどのテーマについて不自由なく議論ができるようになっていました。いいえ、なったと思っていたと言うべきでしょう。
と言うのはアメリカに出張する機会があったのですが、現地で会う人の英語がまったくわからなかったのです。相手の言っていることがわからないのですから、ゆっくり言ってもらうように頼んでやっとわかったり、時にはそれでもわからなくて何べんも聞きなおしたりしました。
中にはゆっくり言ってもらったり言い方を変えてもらったりしても正確に理解しているかどうか自信がないところもかなりありました。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。英会話スクールで学んだことは意味がなかったのでしょうか」
相手の言っている英語はよくわかるし、それに対する意見もきちんと言えるようになって自身満々アメリカに出張してこのような経験をすることは本当にあるのでしょうか。もしそんなことがあったらショックでしばらく立ち直ることができないでしょうね。
実は筆者はこのような体験を何べんもしたことがあります、と言うか今でもしています。
ゴルフでも練習場だとシングルプレーヤーのスウィングをする人がコースに出るとボロボロな人がいます。私もレッスンプロにかなりの期間、習いましたのでスィングはきれいだといわれますが、コースに出るとアウトです。コースはアップダウンがあったり、池あり木ありで、練習場とはまったく環境がちがうからでしょうね。
英語も同じです。 いくらネーティブスピーカーと言っても英会話スクールの講師の英語はアメリカで話される英語とは違います。「えっ、何ですって! 同じアメリカ人が話しているのにそんなことはないでしょう」と言われるかも知れませんが、実は違うのです。
その理由として次のことが考えられます。
1. 英会話スクールの講師はわかりやすい英語を話そうとしている。
彼らは英会話の先生として標準的なわかりやすい英語を話そうと努力しています。
2. 相手が英語を学ぶ生徒と思っているから上級者に対してもナチュラルスピードでは話さないし、 スラングもできるだけ使わないように努力している。
3. 英会話スクールの講師を一年以上続けていると出身地固有のなまりがなくなっている。
アメリカにはその州や都市で独特のなまりがあります。アメリカ人同士ははじめて会うとそのなまりで出身地が推測できます。
つまり私たち日本人に対してはアメリカ人に話す英語とは違う英語を話しているということです。
筆者がアメリカのホテルを予約するときに実験をしたことがあります。あるホテルにはこちらの話す英語のスピードをナチュラルスピードで(?)話し、次のホテルには東京から電話をしている、だから英語はうまくないと前置きしてスピードも落とします。
はじめのホテルの人の答えはベラベラと返ってきますが、二番目のホテルの人はゆっくりと英語も話してきます。もう全然ちがいますね。
私の話す英語はネーティブのナチュラルスピードの速さではありませんが、アクセントとイントネーションはかなりネーティブに近いといわれます。また相手と会う前からMikeと言う名前でメールではやり取りしていますから、もしかしたら日系アメリカ人と思われている可能性もあります。
そんなわけでアメリカに行って相手と会うといきなり機関銃みたいな英語で話されます。
さて問題はこれからで、他のページでも書いているように私にとっては英語は母国でないというようなことを言いますと、スラングも少なくなりますし、スピードもゆるやかになります。
ところがこのようなことを言わないと相手は安心してさらに遠慮なくスラングを使いスピードはますます速くなってきますから、もうほとんどわからなくなって推測で理解しているような状態になってきます。
もうCNNのアナウンサーみたいなスタンダード・イングリッシュではありません。しかも相手はフランス系アメリカ人とか、ヒスパニックとか、あるいはアフリカから移住してきた人とかのアメリカ人ですと強いなまりが残っていますから理解できません。これはもう聞き返すしかないと思います。
私の体験が長くなりましたが、英会話スクールの教師の英語とアメリカなど現地の英語がいかに違うかがおわかりになったと思います。
現地の英語がわかるかどうかの手っ取り早いバロメーターをお話しましょう。
例えばロスアンゼルスのバーで一人で飲んでいたとします。隣に誰かが座ってバーテンと話を始めたとします。この英語がわかればその人の英語力は相当なものだと思います。
筆者なんかはほとんどわかりません。その人がオカマさんとかレスビアンの人だとか、そちらの業界の人だったら完全にお手上げで宇宙語を聞いているのと変わりがありません。
話は横にそれましたが、相手の英語がわかるかどうかということについては、相手の姿勢もあります。こちらがバイヤーでアメリカ人が売り手の場合、私たちの英語があまりうまくないと思うと相手は出来るだけやさしい表現で、しかもスピードを落として話してきます。少しでも難しい表現を使う場合は「知っているか」と確認しながら話しを進めようとします。
ところがこちらが売り手になったら容赦はしません。相手と同等の英語力を要求してきます。これはかなり英語がうまい日本人にとっても酷ですね。
そこでアメリカで営業する日本の会社はアメリカ人と日本人を組ませてセールスをすることが多いですね。このことによって英語の問題だけでなく、文化的なことも含めて円滑なコミュニケーションを図ろうとするわけです。
さて英会話スクールで学ぶ英語は使える英語なのかということです。
初心者から中級までは問題ないと思いますが、上級になったらスクールに頼ってはなりません。ヒアリングは海外のテレビやラジオで鍛えないと現場では使えないと思います。
映画もいいと思いますが、わからなくてもがっかりすることはありません。字幕翻訳者として食べている人もわかりませんから、私たちがわかるわけはありません。英語とはそれほど難しいものだと考えるべきです。要するにその人の英語を理解する目的でしょうね。一般的にはCNNのニュースが7割わかれば十分だと筆者は思います。
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