日本語から英語の翻訳を日本人がする場合、外人にリライトしてもらう必要がでてきます。手紙などでしたら問題はないでしょうが、微妙な表現ですと、日本人の翻訳は通じなかったり、不適切だったりするからです。翻訳用語としてはネーティブ・チェックなどと言われています。
ところがこのネーティブ・チェックは翻訳と同じで人によって能力に雲泥の差があります。外人なら誰でもよいなどと思っていたらとんでもない目にあいます。大学をでているからなんていうのもあてになりません。
日本語でも編集と言ったら特殊な技能(skill)になるわけですから、英語の場合も同じわけです。こんなあたりまえのことを忘れて外人で大学卒業者ならよいというのが、そもそもおかしいわけですね。
日本では文部省が認可をしてはじめて大学という名前の使用が許可されるわけですが、アメリカには文部省に当たるものがありません(正確には教育省というのはありますが、日本の文部省のように大学設立についての権限がありません)。そのためアメリカには大学の数が1万もあると言われており、公的機関から認定されている大学だけでも3千もあります。日本では今でも千もないでしょうから、アメリカの大学に日本よりも大きな格差があるのはうなずけます。
だからといって名の通った一流大学卒業者ならよいかと言うと必ずしもそうとは言い切れません。筆者はアメリカの一流大学を卒業している人にリライトをしてもらってなんべんも失敗しています。やはり翻訳と同じでリライトも職人の仕事なんでしょうね。
職人ということになると変わった人はいっぱいいます。特にアメリカ人はfreeという言葉が好きな国民で個性豊かです。勤務時間中に食事はするわ、ひどいのはビールを飲むわです。服装なんかもカジュアルでよいといったら、上はランニングで下はタンパン、女性スタッフなんか胸の谷間が見えすぎて目のやり場に困るカッコでくる人がいます。7年前に一緒に仕事をした酒も煙草もやらない菜食主義者のアメリカ人は弁当を持ってくるんですが、キュウリとかセロリをビニールに包んで持ってきてそれを塩も何もつけずに丸ごとボリボリ食べておいしいと言うんです。水は浄水を変なニョロニョロのビニールに入れて、それをかばんの中に大事そうにしまって、飲むときはそれを出して飲みます。水道の水は絶対に飲みません。親切心で飲むかと薦められるんですが、とても飲む気はしません。アメリカ人は自由にさせているとご機嫌ですが、ズバリこうしてくれと頼むと協力してくれます。このような点ではイギリス人のほうが日本人に近いでしょうね。カナダ人はこの中間でしょうか。
話はそれましたが、英文編集には語感がどれだけ鋭いかということが最も大切で、あとは経験です。一般的には日本で英語の先生だけで生活をしている外人はまず使えません。リライトに興味がある人は、生活ができるのであれば英語を教えることには興味をもちません。
能力のない人がやりますと、原稿に直しがほとんど入りませんが、うまい人ですと、直しがやたら入って、さすがにネーティブの英語だなと感動するような英語になるわけです。翻訳と同じでうまい人はスピードもあります。そうでないと相手も商売になりませんよね。筆者の経験で一番ひどかったのは、どうしてもやりたいと言うのでやってもらったのですが、1時間かかってたったの1頁(200ワード)で、しかもそのリライト原稿は使える代物ではなかったんですよ。しょうがなくて他の人にやり直してもらいました。翻訳でも早い人は1時間で2頁やります。
ですから仕事を依頼する前にテストをするとか、よく話し合うとかすべきでしょうね。
|