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高級料亭に行く
フランスの映画監督と知り合いました。
「芸者ハウス」に連れていけというのですよ。
私はそんなところに行ったことがなかったのですが、いろいろと手づるをたどって、赤坂の高級料亭に行きました。
もちろん「いちげんさん」はお断りで、普通は支払いはつけなのですが、事情が事情なので頼み込んで現金払いにしてもらいました。
予算としては、現在の貨幣価値からしたら、二人で二〇万円くらいでしょうか。
初めての経験なので、あがりっぱなしです。
座敷に案内されたら、自分がいつも座っている座布団の三倍くらい厚い座布団が敷いてあり、昔の殿様が使うひじかけがあったりして、正座したらよいのかあぐらでもよいのか、よくわかりません。
料理だって、高級な和食なんて食べたことがありません。
こんなところで通訳なんて、いくら無料通訳でも大変だなと思っていました。
ところがびっくりしたことに、呼んでもらった芸者さんが、けっこう英語が話せるのです。
When did you come to Japan?
(日本にはいついらしたのですか)
Just a week ago.
(ほんの一週間前です)
What wind made you come to Japan?
(日本にはどんな風の吹きまわしでいらしたのですか)
Well, I wanted to see beautiful Japanese women.
(日本の美しい女性を見に来たのですよ)
こんな感じで話は進みます。
お互いにけっこうやるじゃないですか。
私は通訳する必要がまったくなくなり、一緒に会話や食事が楽しめるとうれしくなりました。
ところが一つ失敗してしまったのです。
大きなロブスターを、教えてもらいながらやっと食べ終わったのですが、その後に出てきた、手を洗うための水を間違えて飲んでしまって笑われたんですね。
穴があったら入りたかったですよ。
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